こんにちは
大河内です。
最近、鈴木先生の設計相談でもよく出てくる話があります。
それは、ファンタイプの装置の使い方です。
ファンタイプの装置は以前は混合歯列前期にも使用していましたが、最近では混合歯列期後期や永久歯列期で使うメリットがある時以外は使わなくなりました。
その理由はいろいろあるのですが、一番は「前歯部が不適合になりやすい」ことです。
週2回45°づつ巻くのが基本なのですが、このペースで巻いていくと前歯部が平行タイプの2倍の速さで拡がります。1日14時間以上の装着を守っていればそこまで問題ないのですが、どうしても装着時間が少なくなったりすると装置がすぐにズレてきてしまいます。
それを予防するために
「犬歯に単鉤を付与すること」
「巻くペースを遅くすること」
を行います。
特に、巻くペースはいろいろ変えてやってみたことがあります。熱心な衛生士さんが30°を週に3回にしたり、毎日少しづつ巻いたりと色々変えてやってくれて、やはり「45°を週に1回」というのが患者さんも間違いにくく、不適合も多少抑えられるということでした。なので、今ではファンタイプは45°を週に1回巻くように指導しています。
ただ、このファンタイプを使う年齢はどうしても装着時間が短くなりがちというのもあるので、装着時間が短いと不適合はどうしても起こってしまいます。これは別での指導が必要です。
また、平行タイプのスクリューと違いファンタイプのスクリューは特殊なので、ガイドピンというものがありません。なので、ガイドピンでのストッパーがないために患者さんがスクリューを巻きすぎる傾向にもあります。これは、セット時にしっかりと指導することで防げますが、巻くペースが大丈夫かどうかは途中でも確認していきます。最初に説明しても忘れてしまう場合もありますもんね。
というように、ちょっと特殊なファンタイプのスクリューはその特性をよく理解して使うことをオススメいたします。
■書籍■
GPのための床矯正治療を成功させる床装置と設計
デンタルダイヤモンド社 大河内淑子著
https://www.shien.co.jp/act/d.do?id=9810
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