床矯正

かたがけアダムスクラスプ

こんにちは

 

大河内です。

 

アダムスクラスプの変形としてSingle arrowhead adams claspというものがあります。

 

Arrowheadとはアダムスのクラスプの保持部である場所で、その名のとおりの矢印の形なのですが、通常のアダムスクラスプはこのアローヘッド2カ所で抱き抱える構造となっています。

Single arrowhead adams claspとはアローヘッドが片方しかなく、もう一方は単鉤のような形でワイヤーが歯の周りを巻いているだけです。

当院では「かたがけアダムス」と呼び、下顎の6番の遠心部が萌出が低く、アダムスのアローヘッドを設定できない時に一時期使っていました。

 

「一時期」というのも、今は使っていないからです。

 

このクラスプのメリットは

「遠心部の萌出が低い場合に用いることができる」

なのですが、デメリットは

「調整が難しい」

「アローヘッドが1本なので、維持力がほとんどない」

「アローヘッドを調整すると遠心部が浮きやすく、浮いてしまうと対合と接触することが多くて前歯部が浮き上がる、破断しやすい(表題の写真も破断している)」

ことでした。

 

要は「調整が難しい上に維持力がない」ですね。

 

当院で調整が一番うまい経験20年クラスの人に調整をしてもらっても維持が取れない場合も多かったので、どんな人間がやってもムリだろうという結論です。

 

現在では遠心部の萌出が低い場合はSingle arrowhead adams claspは使用せずに単鉤を用いています。単鉤もそこまで維持が出るわけではないのですが、遠心部に対合歯がぶつかって浮き上がることがありません。また、萌出に伴った調整の自由度が単鉤の方が高いからです。

 

ただ、これらは私が使ってみての感想なので、Single arrowhead adams clasp 等を完全否定しているわけではありません。維持装置は各医院の考えや術者の好みの部分もあるので、実際に使用してみて使い勝手を確かめてみるのも一つの手ではあります。

 

最近、床矯正研究会が昔作った「解体新書」という床装置の技工の本を読み返していると、当時使用していた「かたがけアダムス」が載っていたので、

「そういえば、こうゆうの、使ってたな」

と思い出して書いてみました。

 

ちなみに、この本は以前勤めていた技工士が作り、内容は私はタッチしていなかったので、私の考え方と違う部分もありますし、ずいぶん前に作られたので「かたがけアダムス」のように今のやり方と違う部分もありますので、ご自身の考えで取り入れていただきたいと思います。

 

余談ですが、

以前ご紹介したマニア向けの本にもSingle arrowhead adams claspが載っていました