こんにちは
大河内です
パナシールド についての質問があって、勉強になったのでここで共有させていただきます。
「パナシールドは、舌の位置を患者様に提示するものであり、そこから鼻呼吸を促すものと思っております。ということは、患者様の意識下で装着している方がよいのでは?と私は考えますが、いかがでしょうか?床矯正装置を入れていない昼間にトレーニングとして使っております。」
パナシールド のセミナーでもよく質問されるものなのですが、
「夜だけ入れるのはなぜ?」というものです。
私の答えは
「低年齢の小児は昼間長時間入れられないから」です。
もちろん、昼間入れていられるならば昼間入れている方が良く改善すると思います。ただ、このようなマウスピース型の矯正装置は長時間入れないと効果は出ません。昼間、子供たちは幼稚園や学校に行ったり、話したり食べたり飲んだりと大忙しです。口を大きく塞いでしまうパナシールド はおそらく入れられても2時間くらいが限度なのではないでしょうか?
ポカンエックスをゲームの時にでもやるように言っても、やはり話したりすることが多いため、長時間できないというお悩みも今回のセミナーで寄せられました。
装置は高い効果を求めるよりも、全員の患者さんがやってくれるにはどうするかの方を優先しないと「やれば効果は出るのになー」で終わってしまうと、治療結果には結びつかないために、患者さんの生活に合った方で指導するようにしています。
ただ、
ご質問のあった「夜に床矯正装置が入っている」場合は少し違うとは思います。私は床矯正装置とパナシールド の併用は注意が必要と考えます。
ですので、夜に床矯正装置、昼に舌トレという意味でのパナシールド なら「なるほど!」と思います。実際、患者さんに指導したことがないので効果はなんとも言えませんが、パナシールド を昼間のみの舌トレーニング器具として使うのは私には欠けていた発想でしたので、こういう質問をいただけると考えさせられて勉強になります。ご質問くださった先生にはとても感謝です。これを読まれている先生でぜひ昼間の舌トレとして使用して効果が出ている先生方がいらっしゃったら教えて欲しいです。
あと、パナシールド に関して
「仰臥位で寝ている場合、舌が後方に沈下する傾向がありなんとなく危険を伴うようにも感じます」
という質問もいただきました、
舌の沈下の問題なのですが、パナシールド開発から10年以上経ち、多くの症例で使用していますが、パナシールド を使用して舌の沈下が起こった例というのは遭遇したことがありません。ですので、 パナシールド はその作用機序として舌を沈下させるのではなく、挙上させる方向に誘導する装置なので、この心配はないかと思われます。
ただ、もし起こった例があればぜひ私でも販売会社にでも報告していただければと思います。
そして、久しぶりの鈴木語録の登場です。
鈴木先生はいつも「自分の考えが一番正しいとするものがトップになるとその文化は発展しない。自分の考えを取り入れた皆が大木の枝葉のようにそれぞれの考えを持って寄り集まることが文化として広がりを見せるんだ。だから、俺は床矯正研究会の「主幹」というただの幹になって、皆が自分の枝葉を持てるように応援するんだ。」とおっしゃっていました。
私もつい自分の考えに固執してしまいがちですが、鈴木先生のこの言葉を聞いていつも自分の考えを持ちながらも他の意見も柔軟に取り入れなければと思います。
貴重なご質問ありがとうございました。
そして、ここで紹介してくださるのを許可していただきありがとうございました!