こんにちは
大河内です
歯の萌出が遅れている場合、
どのようなタイミングで開窓を行ったり
専門医に相談したりすべきか、
迷いますよね。
ただ、やみくもに開窓したり、
根拠なく待ったりするのは診断とは言えません。
歯の萌出が遅れている原因が何なのかを診査すべきです。
歯の萌出障害なのか、
それとも萌出が遅いだけなのかを判断するには
パノラマで歯根形成や顎骨の中の歯の状態を確認することが
重要なのです。
デンタルでも構わないのですが、
反対側の歯胚の状態や他の歯胚の形成程度を比べることで
より確実な診断ができるからです。
また、経過を比較するのにデンタルではどうしても
術者の設定によって角度が変わるため、
規格化されたパノラマをオススメいたします。
歯の萌出が遅れている場合は
歯根形成の状態を確認します。
Van der Lindenの書いた歯・歯列の発育(クインテッセンス)によると
「永久歯は歯根の長さの1/4が形成させた時期に萌出し始め、
歯槽骨表層に到達するまで2-3年かかり、
その時点で歯根は2/3が形成されている。
それからおよそ半年くらいで歯は歯肉を突き破ってくる。
萌出後8ヶ月で歯冠の高さが4/5まで現れてくる」
と言われています。
歯胚の形成が遅い事だけが原因であれば、
経過観察していきます。
半年に一度程度パノラマを撮影して動きを確認します。
ただ、歯根形成が2/3程度なされているのに
歯胚が咬合平面に向かって移動してこない場合は
何らかの萌出障害が考えられます。
「歯が生える気がない」ことがあるため、
開窓処置で萌出を促したり、
将来マルチブラケットによる牽引の可能性を
説明する必要があります。
もう少しで歯肉から顔を出しそうなのに
なかなか萌出しない歯に開窓を行うと、
意外にスルッと萌出してくる場合があるため、
当院ではマルチブラケットなどの前に
まず開窓を行います。
装置をつける予定がないのであれば保険で算定できます。
ただ、患者さんが開窓を嫌がる場合もありますよね。
当院でも治療を無理強いすることはできませんので、
開窓しないメリット・デメリットを伝えて患者さんに選んでもらいます。
当院では6歳臼歯を9歳まで待って
自然萌出したというケースも数人います。
ですので、
何ヶ月待てば良いと一概に言えないのですが、
その歯胚の状況ももちろんですが、
患者さんへの説明と同意の複合的な診断で
治療方針を決定していくことをオススメいたします。