こんにちは
大河内淑子です。
混合歯列期に注意すべき疾患として
小臼歯の中心結節の破折があります。
中心結節は歯の形態異常の一つで、
モンゴロイドの特徴と言われますが、
臨床では小臼歯に多くみられますよね。
1〜4%の発現率※と言われますが、
実際のところ「よく見かける」異常の一つです。
が、「よく見逃される」異常の一つでもあります。
当院で矯正のみで通っており、
かかりつけ医で定期検診を行なっている患者さんの中にも、
悲しいことに
何も言われずにいる患者さんも多いです。
「見逃されている」ことが本当に多いです。
処置法は経過観察・補強・削合などありますが、
私は患者さんには補強を勧めています。
なぜかというと、
経過観察中の結節部が折れて露髄して
早期に根管治療が必要になった場合を経験したからです。
萌出したての歯の根管治療なんて悲しすぎます。
つい、歯列不正やカリエスチェックなどに目がいって、
見逃してしまうこともあるかもしれませんが、
ここは衛生士も含めて
厳しくチェックすることをお勧めします。
当院では見つけたらすぐにこのプリントを渡します。
良かったらぜひご活用ください。
経過観察するか、補強するか、削合するかは自由ですが、
見つけたら患者さんに説明することを忘れないようにすることが
後々のトラブルを防ぐことになるでしょう。
※)野田忠 「III.混合歯列期 歯の異常 癒合歯,中心結節」『小児歯科臨床プラクティス』 野田忠、佐々竜二、医学情報社、東京都文京区、2001年3月20日、第1版第2刷、106-107頁。ISBN 4-900807-36-2。