平行タイプとファンタイプの装置の使い分け

こんにちは

 

大河内淑子です

 

「平行タイプとファンタイプの使い分けはどのようにすれば良いのでしょうか?」

とよく質問を受けます。

 

平行タイプの特徴は

  • 前歯と臼歯部ともに拡大される
  • 幅広い年齢に用いる事ができる

 

ファンタイプの特徴は

  • 前歯部がおもに拡大される。6番の後方回転が起こる。
  • おもに混合歯列期後期からもちいる

 

とあります。

 

それぞれ症例に合わせて使い分ける必要がありますが、

 

ざっくり言うと

 

・乳歯が残っている場合は基本平行タイプ

・永久歯列に交換した後で臼歯のバイトを変えずに前歯のみ拡大したい時はファンタイプ

 

という使い分けをしています。

 

ファンタイプは

前歯部のみ広がるのですが、その特徴からとても不適合になりやすく、犬歯に単純鉤をつけて維持をつけてそれを補うようにはしているのですが、

装着時間が短いとすぐに床が上滑りをして不適合になります。

そして、臼歯は拡大されないので装置が上滑りしても、臼歯のアダムスクラスプがなんとか入ってしまう事が多く、患者さんが不適合に気づきにくいということもあります。

それでもV字歯列の解消でファンタイプを使用した方が良い事もありますが、

バイトが問題なければ当院では平行タイプを使用しています。ファンタイプの使用頻度は平行タイプの使用頻度の10分の1以下です。

 

平行タイプは

Eのアダムスに維持をもたせ、拡大後にバイトを緊密にする為に6番部の床をあけてバイオロジカルに動くようにコントロールできることが最大のメリットです。

 

理想は

 

7〜9歳頃で平行タイプで前歯の叢生を解消し、閉鎖型で臼歯の交換を経過観察して治療を終える

 

ことです。

 

つまり、ファンタイプを使用せざるを得ない状況とは

 

治療が遅れている(治療開始がおそい)か

ディスクレパンシーのマイナス値が大きいので

 

マルチブラケットへの移行の可能性を視野にいれるということです。

 

床装置ですべての症例を治す事はできません。

それを患者さんと術者で理解した上での使い分けが必要です。

ファンタイプに付いて詳しく知りたいかたは

 

「なぜからはじまる床矯正治療のQandA 1st step」

デンタルダイヤモンド社 鈴木設矢監修 大河内淑子他著

https://www.dental-diamond.co.jp/item/579

 

のQ31Q59をご参考ください。