こんにちは
大河内淑子です
先日、スルメじゃないのね最近は〜その2で
患者さんには
- 必要に応じてトレーニングも行うが、口腔機能の発達には基本は全員に食育を勧めている。
- 「決まった食材」ではなく、「食材の選び方」
の2点を意識して指導してます、とお話しました。
今日は患者さんへの口腔機能向上のトレーニングとしての基本をお話したいと思います。
当院ではチューブトレーニングや他の器具、MFT手法を用いたトレーニングなども指導するのですが、基本は食育だと患者さんには必ず説明しています。
口腔生理学の河村洋二先生が著書において
「器具を使ったトレーニングよりも毎日の食事でのトレーニングを行う方が効果があり自然である」
と述べられているように、
器具を用いたトレーニングは忘れる日があっても、食事を忘れる日はありません。
1日の食事が3回あり、一回30分とすれば、合計1時間30分になります。
毎日の「1時間30分の食事の時間」をトレーニングと考えると、10分間の器具を用いたトレーニングと比べても、時間としては9倍の効果があります。
9倍の効果ってすごくないですか?
また、トレーニングを日常に落とし込んで「習慣化」させるにはかなりの努力が必要です。食事の時をトレーニング時間だと考えることはどのトレーニングよりも習慣化しやすいと私は考えます。
習慣化の例では自分の体験からでもあります。
かつては私も運動不足解消とダイエットをしたいと思い、何度もジムに入会して挫折しました。ジムの退会手続きをする度に、「ああ、自分は意志の弱い人間だ」と挫折感を味わいました。
意志の弱さを自覚したので、今度は家でできるダイエット体操やスクワットなどもあらゆることを試してみましたが、1週間続けば良い方でした。
色々な本を読んだ結果、
「継続するために意志を強くする」のは難しく、
「習慣を変える」ことの方が成功しやすいと知り、
日常の中に強制的に組み込まれるような運動習慣をいくつか考えて試しました。
「エレベーターを階段にする」「朝の出勤前か昼にジムに行く」は失敗しましたが、
「通勤中のバスをやめて歩く」ことは習慣化され、
ダイエットは成功してリバウンドをすることがなくなりました。
このように、自身の体験からも「強制的に日常に組み込まれるトレーニング方法」が成功しやすいと考えると、やはり食事の時間をトレーニングと指導することが今のところ最適だと考えています。
最近はその「食事の時間をトレーニングとして成功しやすくする工夫」ということもいろいろ考えるようになってきましたが、そのお話はまた今度に。
ぜひ、器具を使った口腔機能トレーニングの前に食育の指導をしてみてはいかがでしょうか。