日々の診療

スルメじゃないのね、最近は

こんにちは

大河内淑子です

 

咬合誘導を行う時には装置を使った治療だけではなく、必ず患者さんに「口腔機能を向上させよう」という説明をします。その口腔機能の説明の中に「よく咬もう」という項目があります。

「歯は使うためにある。きれいに並べる為にあるわけではない。よく歯を使うと、口や頬、舌等の筋肉も動かす事になる。この筋肉の力や歯にかかる圧力で、バラバラだった歯が整う場所に誘導される。そして、その咬む刺激が歯から顎の骨に伝わって、顎を正しく成長する力がかかるのです。」

というような内容をわかりやすく症例を用いて説明します。

 

でも、この話しを患者さんに始めると、高確率で「ある」返事が返ってきます。

それは、、、

 

「スルメを食べさせるといいんですかね〜」と。

ほんとーーーーによく言われます。言われすぎて不思議なくらいです。

「よく噛む=スルメ」

その発想は日本人の遺伝子に刷り込まれているんじゃないかと思うくらいです。あまりにもスルメの返事が多くておもしろいので、床矯正研究会発行の「食育」の小冊子にも4コマ漫画にしてのせてみました。

 

そんなある日、高校生くらいの男の子が久しぶりに来院しました。

可撤式装置で拡大後に歯がなかなかバイオロジカルに整わず、ずいぶん前に前述の口腔機能指導をおこなっていました。

今回、久しぶりに口腔内を見ると、「すごいきれいに整っているじゃない!」と声を出して褒めるほどに改善されていました。

 

そこで私は思わず、

「スルメでも食べていたの?」と聞いてしまいました。(私の遺伝子にもスルメが刷り込まれていた!!!)。

すると、その男の子は

「スルメじゃないけど、咬む力を増やそうと思って、がんばって食べてたんだよね」とのこと。

 

「え?なになに?スルメじゃないの?教えてっっ!」と私は前のめりになりました。

 

「それは、、、ビーフジャーキー!!」(すっごいドヤ顔で)

 

「???」一瞬、思考が停止するほど、私の中でビーフジャーキーは馴染みのないものでした。「こどもがビーフジャーキー???」みたいな感じで。

 

でも、よく考えるとするめも子供が食べるというよりはおつまみなので、ビーフジャーキーも分類は同じです。

 

一応、いつもの説明として

 

「1つのものを食べすぎるのはあんまりよくないから、他のよくかむものもしっかり食べるようにしてね」と言いましたが、おもしろいな〜〜と思いながら診療を終えました。

 

その夜、仕事帰りにセブンイレブンのおつまみコーナーをのぞいてみました。

すると、なんと!!!おつまみコーナーにスルメよりもビーフジャーキーの方が目立つところに置いてあるではないですか!!!

 

衝撃でした。

 

普段お酒を飲まないので今まで気づきませんでしたが、おつまみコーナーにビーフジャーキーがかなりの割合を占めていました。私が見たセブンイレブンはカルパスやスルメを差し置いてあきらかに「ビーフジャーキー押し」でした。

 

買い物かごにビーフジャーキーを入れながら、「固いものといえばスルメではなくなったのね。」と、時代の変化を感じた夜でした。