床矯正

印象変形〜嘔吐反射が起こってしまったら

こんにちは

大河内淑子です。

前回、

印象変形を防ぐには「毎回タイマーを使ってでも「正確に固まるまで待つ」ことが鉄則!」というあたりまえのコトも、日常に落とし込むと「なあなあ」になることがあるので気をつけましょうというお話でした。

ただ、どうしても「待てない」という状況があります。

それは「嘔吐」させてしまった時です。

嘔吐反射を起こさないようにするのはもちろんですが、予防策を講じていてもどうしても起こってしまう時があります。子供は大人よりも簡単に嘔吐します。子供の印象に慣れていない時には驚きますが、子供の印象に慣れて来ると「吐きそうな時」がわかります。

嘔吐させてしまった時、一番大切なのは「あせって印象材をはずさない」ことです。

こちらが固まる前の印象材を外すと口の中でべとべとの印象材があちこちに付いて、患者さんが逆にパニックになります。起こった事はありませんが、誤嚥させてしまったり、気道に入る可能性もあります(想像するだけで怖い、、、)。

あせって外したい気持ち(術者も患者さんも)をぐっと我慢して、患者さんを前屈みにさせてタライや膿盆等を持たせて固まるまで待ちます。その間も「げっっーー」と何度も吐いたり嘔吐反射が起こったりしますが、それも我慢です。「固まるまで外せないからお鼻でゆっくり深呼吸してね〜〜」と「まるでこんなの普通です」のようなゆっくりした態度でセットしたタイマーの時間まで待ちます。あせった気持ちを患者さんに伝えないようにするのがポイントです。時間の流れが10倍くらい遅く感じますが、それも我慢です。

「ピピピピ、、、」とタイマーが鳴ったらゆっくり外して印象不良が無いか確認して下さい。もちろん、患者さんの精神的ケアと吐いた後の処置は必要です。

どうしてこんなに我慢させてまで待つかと言うと、

私の経験上、

一度嘔吐してしまったら、その日は再度の印象を採らせてもらえない(採れる状況でない)ことの方が多く、最悪の場合、次も来院しても採らせてもらえない可能性もあります。

「吐かせたのに、印象もできなかった」のと、「吐かせたけど印象はできた」のでは結果が全く違いますし、患者さんの負担も減ります。

嘔吐が起こった時こそ、一回で印象を採りきる意志を持って「待つ」ことが大切です。

前回と同じ「待つ」という当たり前の事ですが、硬化を待たずに外して、べとべとの口腔内の印象材を泣かせながらとって時間がかかった上に、「もう今日は無理です」とお母様の冷たい視線を浴びながら返してしまった悲しい経験があるので、上記は必ず守るようにしています。

そして、なにより嘔吐反射を起こさない予防を徹底するようにしています。